気象予報士試験の、文系の方の勉強法

気象予報士試験対策として自分が行った勉強法は、あくまでも高校の数学や物理や化学の知識がある程度あって、資格試験の受験にも慣れていて、独学向きの性格で環境が整っている人向けの勉強法です。
細かい部分は参考になる部分も多いと思うのですが、ほとんどの方がそっくりそのまま真似しても、挫折する確率は高いと思います。

目次

独学する場合に身に着けておきたい前提知識

個人的には、気象学や熱力学の基礎となる「気体の状態方程式」を理解していているかどうかが、独学でも挫折せずに学習が進むかどうかのバロメーターになるのではないかと考えています。

「気体の状態方程式」は、高校の物理(熱力学)でも化学(理論化学)でも登場する基本中の基本の式。
理系の高校生であれば、割と早い段階で登場して繰り返し問題を解く羽目になるので、大学受験の勉強をする頃には式の取り扱いにも自然と慣れていくもの。
また式を定量的に取り扱えるかどうかだけでなく、式の意味を定性的に理解できているかどうかも重要です。

また、風の挙動を理解する上で必要となる高校の数学の知識…具体的には三角関数の基礎とベクトルの基礎が身についているか、そしてそれらを力学の分野に適用できるかも重要です。
これらも、理系の物理選択の高校生なら身に付いている内容。そのベースがあるか無いかが、その後の気象学の知識の習得スピードにも大きく影響してきます。

基本的にはスクールで受講する方が早道

  • 文系だった方
  • 理系だったけど高校の内容は忘れてしまった方
  • 小学生・中学生の方

上記の方…つまり現時点で、気体の状態方程式や三角関数・ベクトルの取り扱いに不安のある方は、早い段階でスクールやオンライン授業を受講して、講師から基本的な事項から教えてもらえる環境の方が、挫折せず効率良く知識を身につけることができると思います。
できれば、分からない部分が出てきたときに質問に答えてもらえる環境もあると理想的ですね。

試験対策本でもスクールでもない教材を活用しよう

また、高校時代からさらに遡って、中学校の理科の気象の単元を、教科書や参考書を使ってもう一度勉強し直すのも、遠回りなようで近道だと思います。
そう言えば、NHKの朝ドラ「おかえりモネ」でも、主人公のモネが予報士試験の勉強を始めたものの難しすぎて途方に暮れている姿を見て、家庭教師役の菅波先生がプレゼントしたのが、理科の教科書でした。

そこで自分も、何十年ぶりかに中学校の理科の教科書に目を通してみたのですが、気象学の根本的な部分が結構網羅されていて、内容の充実ぶりにビックリしました。
それでいて数式はほとんど使われていないので、最初に学ぶ教材として確かに適切。
「その手があったか!」と思わず言いたくなるくらい、目からウロコが落ちました。

数式を極力使っていない本で、自分が実際に使用したのは、ブルーバックスの「図解気象学」。
数式が理由で挫折してしまう前に、まずこの本を読んで気象学の大事な部分を頭にいれておけば、数式を使ったより高度な本や授業に触れたときにも、理解度が段違いなはず。
また、オールカラーで写真や図がふんだんに盛り込まれた本を使って、天気に親しみながら気象学を勉強していくのも大いにアリです。

もう一つ、最近は中学や高校の数学や理科の内容を分かりやすく解説した本や動画がたくさん出てきているので、分からない部分が出てきたら、そういった教材に目を通してみるのもオススメです。
全部に目を通す必要はなくて、あくまでも学科一般に出てきて自分が良く分かっていない分野だけ見れば十分。
気象予報士試験の勉強は、試験対策本やスクールだけに限る必要は無いのです。

文系の方でも諦める必要はなし!

ともあれ、文系の方でも、時間をかけて頑張れば合格できるのが気象予報士試験の良いところ。
自分には理系の素質が無いと思っている方も大丈夫、正しく粘り強く勉強していれば必ず身につけることができますよ!
実際にこれまでも、多くの文系受験者が気象予報士試験の資格を取得しています。決して諦める必要はありません!

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プロフィール

気象予報士。ほぼ独学で第55回気象予報士試験に合格。新潟県上越市出身。川崎フロンターレのサポーターで、全国各地へのサッカー観戦やご当地グルメの食べ歩き、温泉めぐりが趣味(現在自粛中)。好きな季節は春、好きな雲は積雲。SEから気象に関する仕事への転職に向けて準備中。

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