第56回気象予報士試験の申請状況…「おかえりモネ」効果はあった?

2021/7/21に、気象業務支援センターから、第56回気象予報士試験の申請状況が発表されました。
http://www.jmbsc.or.jp/jp/examination/pdf/cwfe_56_sinjyou.pdf
※資料の公開期間は限られています。ご注意ください。

このデータは、あくまでも気象業務支援センターに気象予報士試験の受験を申し込んだ「申請者」の数字です。実際に試験を受験する「受験者」の数とは異なりますのでご注意ください。

目次

第56回気象予報士試験の申請者数

第56回試験の申請者数:4117人

第56回気象予報士試験の申請者数は、4117人でした。
前回の第55回は3656人だったので、前回から461人も増加!増加率は12.6%!

過去10回分を遡っても3200~3700人の幅に留まっていたので、今回一気に増加したことが良く分かります。過去3回連続で申請者数は増加していたとは言え、この増加幅の大きさは、おかえりモネ効果もあったと言えるでしょう。
(55回試験で合格しておいて、本当に良かった…)

ここからは、申請者の内訳を見ていきましょう。

男女別

・男性:3142人(76.3%)
・女性:975人(23.7%)

男女比は76:24と、男性が3/4以上を占めています。とは言え女性の申請者数も1000人に迫る勢いで、男性も女性も同じ土俵で力を試すことのできる試験であることが分かります。

年齢別

・20歳未満:181人(4.4%)
・20~29歳:1331人(32.3%)
・30~39歳:728人(17.7%)
・40~49歳:545人(13.2%)
・50~59歳:628人(15.3%)
・60~69歳:515人(12.5%)
・70歳以上:189人(4.6%)

・最高齢:86歳
・最年少:8歳
・平均年齢:40.2歳

年齢別では、やはり20代が一番多いです。試験勉強に時間を取れる大学生の申請者が多いのでしょう。
気象予報士の資格を就職・転職活動や日々の業務に活かすためという本来の目的で取得する方が多いはずです。

しかし他の試験と比べると、20代の割合が1/3以下というのは、かなり少ないと言えます。
その分、30代・40代・50代・60代の各年代が、それぞれ15%前後を占めていて、幅広い年代が受験しているのが分かります。
40代が若干少なく、50代でまた増えているのは、仕事や育児が一段落して、試験勉強に力を注ぎやすい環境が整ってきたからなのでしょう。

それでも、60代が12.5%、70代以上が4.6%も申請しているのは、集計していて自分もビックリしました。申請者の6人に1人が60代以上とは!
一方で、20歳未満が4.4%と少ないのは、最低でも高校2年生程度の物理や数学の知識が必要であることと、少子化の影響が伺えます。

また気象予報士試験は、年齢制限が全くなく、申請すれば誰でも受験できるのも、他の試験とは異なる特徴です。
今回も最高齢は86歳、最年少は8歳と、毎度のことながら幅広すぎる年代の方々が申請していて、改めて気象予報士試験の懐の深さを思い知らされます。

試験地別

・北海道:172人(4.2%)
・宮城県:280人(6.8%)
・東京都:2270人(55.1%)
・大阪府:938人(22.8%)
・福岡県:411人(10.0%)
・沖縄県:46人(1.1%)

気象予報士試験は、各気象台のある都市で試験が開催されます。そのため、会場によって申請者の偏りが大きく、今回も東京会場には2270人が試験を申し込んでいて、今回も2つの会場に分かれて試験が行われます。
一方で、沖縄会場は46人、北海道会場は172人という少なさでした。試験地別の傾向としては、これまでとほぼ同様であると思われます。

ちなみに、気象台のない愛知県では試験が開催されません。今回の試験では、愛知県に住所のある申請者202人のうち、3/4の153人が大阪会場で、41人が東京会場、8人がその他の会場での受験を申請しています。

北陸では、富山県の方は東京会場を、石川県の方は大阪会場を申請した方が多かったです。北陸新幹線は東京から金沢まで通っているものの、車を使う分には大阪に行く方が近いのが大きいのでしょう。
また中国・四国地方では、広島県・山口県の方は福岡会場を、それ以外の県の方は大阪会場を申請する方が多かったです。そもそも山口県は、気象台の区分では九州に分類されますしね。

学科試験免除の有無

・免除なし:2738人(66.5%)
・免除あり:1379人(33.5%)
 ・学科一般のみ合格:512人 (12.4%)
 ・学科専門のみ合格:397人 (9.6%)
 ・学科一般・専門とも合格:402人 (9.8%)
 ・その他:68人 (1.7%)

学科試験の免除が無く、すべての試験を受験する必要のある申請者は全体の2/3、なんらかの免除がある方が全体の1/3と綺麗に分かれています。1科目合格するだけでも狭き門なのが、このデータからも読み取れます。
免除ありの方の内訳は、学科一般のみの免除者が圧倒的に多いと思っていたのですが、学科専門のみの免除者も多く、100人程度しか差がついていないのが意外でした。
学科試験が両方とも免除されている方は全体の10%程度。この方々が今回合格する可能性が高いと言えます。

さいごに

第56回気象予報士試験の申請者は、前回から大幅に増加しました。
しかし、コロナ禍の前は85%以上あった受験率が、ここ2回は新型コロナの影響で70%台にまで下がっています。今回は、一人でも多くの方が無事受験できることを祈るばかりです。

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プロフィール

気象予報士。ほぼ独学で第55回気象予報士試験に合格。新潟県上越市出身。川崎フロンターレのサポーターで、全国各地へのサッカー観戦やご当地グルメの食べ歩き、温泉めぐりが趣味(現在自粛中)。好きな季節は春、好きな雲は積雲。SEから気象に関する仕事への転職に向けて準備中。

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