テレビやラジオのニュース番組の最後にある天気予報のコーナーでは、お天気キャスターがこの後の天気を分かりやすく説明しています。このお天気キャスターは、若いアナウンサーが担当することが多いのですが、近年は気象予報士の資格を持っている人が担当することも多く、「お天気キャスター=気象予報士」といったイメージを持っている人も多いのではないでしょうか。
ですが、お天気キャスターは、必ずしも気象予報士の資格を持っている必要はないのです。
お天気キャスターは資格の必要なし
気象予報士以外の人であっても、気象庁や民間気象会社から提供された天気予報を、改変することなくそのまま伝えるだけであれば、資格の必要はなく、誰でも許可なく行うことができます。テレビ局やラジオ局の場合は、テレビ局等に在籍または派遣されている気象予報士が予報を行い、それをアナウンサーが伝えることも多いです。
ただし、気象予報士以外の人が、気象庁や民間気象会社、気象予報士による予報を勝手に変えて、独自の天気予報を広く発信することはできません。これは気象業務法という法律で規定されています。誰でも勝手に独自の予報を広めてしまえば、天気予報の信ぴょう性が担保されなくなってしまいますからね。
なので、お天気キャスターの方が「天気図や気象データを見て、気象庁の数値予報よりも雨が降るタイミングが早まる」と思っても、独断では改変した予報を放送や配信で伝えてはいけないのです。
なぜお天気キャスターに気象予報士が採用されているのか
とは言え、テレビ局が気象予報士をお天気キャスターとして起用しているのは、そういった気象業務法上の理由よりも、気象の原理を分かっている人が天気予報を説明することで、天気を限られた時間の中でより分かりやすく伝え、内容に説得力を増すことができるから、という理由が大きいです。
またキャスターが気象予報士であれば、天気が急に変化した場合でも、現場でより臨機応変に対処することが可能になりますし、災害が発生した場合でも、何に注意してどのような行動を取ればよいのかを適切に伝えることができます。
気象予報士は 「気象情報の翻訳家」
「気象情報の翻訳家」である気象予報士が使う言葉や表現は、日々の鍛錬で磨き上げられたもの。
今度気象予報士による天気予報を見るときには、どんな言葉を使ってどんなことに注意して欲しいと言っているのかにも注目しながら見てみると、より一層天気予報が楽しめますよ!