第21週「胸に秘めた思い」
10月4日(月)~10月8日(金)
第101回(10月4日放送)
2019年11月、水産関係の交流会で未知(蒔田彩珠)が大勢の前で研究発表をしていた。そんな姿を、百音(清原果耶)は誇らしく見つめる。交流会後、大学教授の金子(遠山俊也)から百音は、未知に大学で一緒に研究をしないかと誘っていることを聞く。同じころ、永浦家では龍己(藤 竜也)と耕治(内野聖陽)が、今後のカキ養殖について話していた。そんなある日、百音の前に一人の女の子(伊東 蒼)が現れて…。
https://www.nhk.or.jp/okaerimone/story/week_21.html
家族それぞれの転機、か…。
今週は、モネや菅波先生の話は少な目になるのかな?
亜哉子さんは、震災後ずっと途絶えていた民宿業を、また再開したいと考えている模様。
実現はもう少し先のようだけど、果たして、すんなりと再開できるだろうか…。
みーちゃんは、自分の研究成果を水産関係のプロたちに堂々と発表。
まだ22歳とは言え、もう就職してから4年弱が経っているんだよな…。
その姿を見た大学の教授が、自分の研究室にスカウトするほど!
でも、みーちゃんはこの誘いをずっと断っている様子。
だからと言って、教授は姉にまで妹の説得を頼むなんて…!
おじいちゃんは、竜巻によって破壊された牡蠣棚の修復はしないと名言。
耕治は、自分の父親が老いていることを嫌でも直視せざるを得ない状況に。
耕治自身も昇進の話が来ているだけに、きっと心は激しく揺れ動いているだろうな…。
そんな耕治は、モネと菅波先生との仲がどうなったのかも気になる様子。
その表情は、もしや別れたのでは…と期待している様子がバレバレ!
しかしモネは、「改めて先生を連れてくる」ときっぱり。
それを聞いた耕治とみーちゃんの顔と言ったら…ほんと雄弁!
今日一日だけで、
・亜哉子さん
・みーちゃん
・おじいちゃん
・耕治
…の、それぞれの立ち位置や想いが描かれていて、本当に家族それぞれに転機を迎えていることを感じる。よくこれだけの内容を十数分で提示したな…。
一方、コミュニティFMで働くモネの前に、中学生の女の子が現れる。
その姿は、まるで昔のモネを見ているかのよう。
平日の昼間だけに、もしかして不登校なのかな…。
表情も乏しくて、何らかの事情を抱えていそう。
その子は、テレビを見ていてモネのことを気象予報士だと知っていた。
そしてこう問いかける。
「永浦さんは、どうして気象予報士になろうと思ったんですか?」
今まで何度も訊かれてきたこの質問に対して、気仙沼に帰った今のモネなら、
気象予報士の勉強を始めた頃や、ウェザーエキスパーツ社で働き出した頃とは、
きっとまた違う答えを返すはず。
さて、どう答える…?
今度はモネが、気象予報士の先輩として、あの子に教えて行くのかな?
第102回(10月5日放送)
ある朝、ラジオブースの前を一人の女の子、あかりが通りかかる。気になった百音は声をかけるが、警戒心が強いあかりは、自分のことをなかなか話そうとはしない。あかりのことが気になりつつも仕事に戻る。その夜、亮(永瀬 廉)と飲んでいた未知を迎えにいくと、何だか様子がおかしい…。百音は、未知の気持ちをゆっくりと聞き始める。
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中学生の女の子からの、「どうして気象予報士になろうと思ったのか」という問いかけに対し、モネはこう答える。
「誰かの役に立ちたかったから」
それを聞いたあかりちゃんは「きれいごとっぽい」と率直な感想をモネにぶつける。
この遠慮のないド直球な感じが、思春期の女の子っぽくてリアルだ…。
でも確かに、誰かの役に立ちたいだけなら、
気象予報士ではなく、他の職業でも同じことが言えるわけだから、
質問した側からしたら肩透かしを食らった気持ちになるのも良く分かる。
何で「気象予報士じゃなきゃダメなのか」、そこが聞きたかったんじゃないかな。
きれいごとという言葉を聞いたモネは、「最近同じことを言われたからあなたは正しいと思う」、と誠実に返す。
まさに、今のモネの立ち位置を、更に浮き彫りにするかのような一幕だ…。
でも、このやり取りで中学生の女の子…石井あかりちゃんとモネは、距離が縮まった様子。
あかりちゃんは、モネよりも長い6年間も気仙沼を離れていて、最近また戻ってきたのね…。
モネはコミュニティFMに、三生をパーソナリティとして呼び出した。
そして三生は初めてとは思えないくらい、物怖じせず喋りまくる!
「坊主DJ」三生、ここに爆誕!!
でも内容も仏教の説法を分かりやすく伝えていて、思わず聞きたくなってしまうほど。
才能あるじゃないか…!
モネは悠人に、地域の防災マニュアルを作りたいと語る。
しかし、地域医療との連携を考える上で、壁となったのが、個人情報の取り扱いだった。
住民一人ひとりに合った避難行動をきめ細かく提示する上で、
病気や怪我、障害を持った方の情報は知っておきたい。
けれど、それらは確かにプライバシーに関わることでもある。
そして同じ気仙沼でも、島と街ではプライバシーに対する感覚が違うとも指摘される。
…ここでモネは、だったら「まず島から始めれば良い」と思いつく。
まさに島と街の気質の違いを逆手に取ったわけか!
まず情報が集めやすい島の住民に向けて、きめ細やかな防災マニュアルを作って、
街の住民にそれを見せて実際に役に立つことを示せば、
きっと街の人も動いてくれる…という算段なのね。
地元に則した解決策で、目の前の壁を切り崩していくモネ、たくましいな…!
飲みに行っているみーちゃんを迎えに行ったモネは、悪酔いしている妹の姿を見て、
家に帰る前に休ませて、何があったのかを聞くことに。
酒についてはザルと言われていたみーちゃんが、ぐでんぐでんに酔っぱらってるんだもの、
そりゃモネもビックリするよなあ。
みーちゃんは頻繁にりょーちんと飲んでいるものの、その仲はずっと進展せず。
3年以上の間、ずっと辛抱強くそばにいたみーちゃんも、大分参っている様子。
りょーちんは相変わらず、誰かを好きになろうとはしていなかったわけか。辛いな…。
でも一方で、りょーちんの気持ちを自分から聞くのは怖いとも吐露する。
りょーちんの固く閉ざされた心に踏み込む勇気を、みーちゃんは持てるだろうか…?
みーちゃんは、りょーちんのことだけでなく、大学行きの件についても迷い始めていた。
個人的には、みーちゃんは早くから自分の進路を決めてしまっていただけに、
ここに来て自分の身の振り方に悩むのは、今後の人生においても逆に良いんじゃないかと思う。
まだ20歳過ぎだしね。もっと悩め悩め!
ここらで一度、りょーちんから離れて東京に行って、大学で研究してみるのも、悪くないのでは…?
第103回(10月6日放送)
龍己が壊れたカキ棚を元に戻さず、永浦水産をたたもうとしていることがわかった。亜哉子(鈴木京香)と未知は、どうにか続けることが出来ないのか説得する。それを廊下で聞いていた耕治は、話に入って行けず…ただ話を聞くことしか出来なかった。未知が将来について悩んでいることを知っている百音は「思っていることを全部言ってほしい」と自分の部屋に戻った未知に言うが…。
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亜哉子さんの元に、かつて民宿を営んでいた頃のお客さんからの手紙が届いていた。
そのお客さんは、子供のころに「島の里親制度」で永浦家に泊まっていた人だった。
これは、学校や周りの環境に馴染めない子どもたちを、
夏休みの間親元を離れて島で預かって、泊まり込みで生活させることで、
リフレッシュしつつ精神的にたくましくなって帰ってもらう制度。
おそらくモデルとなる制度が実際にあるんだろう。すごく良い制度だな…。
亜哉子さんも、手紙を読んで当時のアルバムを見ているうちに、
民宿を再開したい気持ちがより一層湧いてきたのでは。
そこに漁協組合から一本の電話が入る。
おじいちゃんが壊れた牡蠣棚を戻さないと考えていることを、
ついに耕治以外の永浦家の人間にもバレてしまった!
当然家族会議に発展して、問い詰められるおじいちゃん。
そこでおじいちゃんは、自分の代で永浦水産を畳もうとしていることを明かす。
みーちゃんは「私が継ぐ」と声を上げるも、「みーちゃんは研究が好きだろ?」と返されてしまう。
確かに、実際に牡蠣を育てて売るサイクルを繰り返す事業と、
今よりももっと良い牡蠣の育て方を模索する研究とでは、作業の内容も適性も全然違う。
亜哉子さんも「だったら私が手伝う」と説得するも、
「亜哉子さんは、子どもに関わる仕事がしたいんでないの?」と、
またしても返されてしまう。
そしておじいちゃんの口から、亜哉子さんが小学校の教師を辞めた理由が、義母の介護のためだったことも明らかにされた。
しかし、亜哉子さんはそれを否定。真意は別のところにあるようだけど、口をつぐんでしまう…。
おじいちゃんは、みーちゃんのやりたいことも、亜哉子さんのやりたいことも、しっかりと見抜いてるんだな…。
ずっと一緒に住んでいる家族とは言え、洞察力が本当に凄い。
部屋に戻ったみーちゃんに、モネが声を掛けるも、
自分の気持ちも進むべき道も分からなくなってしまったみーちゃんは、
つい姉に辛く当たってしまう。
仕事や研究はしっかりしているけど、精神的にはまだ不安定で、そのアンバランスさがすごく妹っぽい。
そしてそんなみーちゃんを、しっかり受け止められるようになったモネ…。
決して強い口調で言い返さず、大きな包容力で妹を包み込む姿は、まさにお姉ちゃんそのもの。
この姉妹の関係性が、すごく良い…!!
みーちゃんは、周りから期待されていることを、自分がやりたいことだと錯覚してしまうクセがあって、そこがいかにも優等生っぽい。
だからこそ、いざ自分のやりたいことが自分の中に芽生えてきたときに、どの道を進めばよいか悩んでしまうんじゃないかな。
自分の道を歩んで欲しい…。
耕治もまた、自分がかつて吹いていたトランペットを見ながら、思い悩んでいた。
永浦水産を継がずに銀行員となって、部長として仙台に栄転することに、
心のどこかで引っかかりを覚えているんだろうな…。
永浦家のみんなが、自分の想いと今やらなきゃいけないことを天秤にかけて、進路を決めようとしている。
家族や周りの人を思いやる気持ちがあるからこそ、
自分が決断した道が正しかったのか、自分のやりたいことを貫いて良かったのか、
そこで悩んでしまう。
それぞれが、それぞれの悩みを抱えながら、前に進もうともがいている…。
第104回(10月7日放送)
百音が仕事をしていると、再びあかりがやってきた。実は、あかりは亜哉子の元生徒なのだと言う。そこで、百音はあかりを永浦家に連れて行く。6年ぶりの再会を喜ぶ亜哉子とあかりは、思い出話に花を咲かせる。そしてその夜、亜哉子と百音が夕食の準備をしていると、亜哉子が今まで心に秘めていたことを話し出す。
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木曜日は、OPがいきなり始まることが多い気がする。
本編を長めに展開したいからかな?
久しぶりに菅波先生登場!お互いに職場からの電話なのね。
モネは朝のラジオ、菅波先生は夜勤明けか…。
モネは家族の現状を菅波先生に伝える。
「まずは『ここが痛い』と言わせてあげるだけでいい」
医療従事者としての経験による菅波先生のアドバイスは、ここでも的確だった。
それはまるで、心理カウンセラーも兼ねているかのよう。
確かに、痛いとすら周りに言えないことも、あるもんね…。
菅波先生の助言を受けてのモネの朝のラジオの内容は、気象病の話題だった。
「低気圧が近づくにつれて、普段は感じないような身体の痛みや心の痛みが出てくることがある。
痛いな、しんどいなと思ったら、少しでも外に出してみて欲しい」
モネはラジオを通じて、気丈に振る舞って頑張っている人たちに、優しく語りかける。
そしてその声にオーバーラップして流れる気嵐の映像が、雄大で心に沁みる…。
気嵐、一度生で見てみたい…。実際に見るとなったら色々と大変だと思うけれど。
ちなみに、実際に自分も、低気圧が近付くにつれて、こめかみのあたりがズキズキと痛むことがあったりします。
気圧が低くなるということは、周りの空気が自分の身体を押す力が弱くなるので、
その分頭の毛細血管を巡る血流が血管を押す力が強くなって膨張することで、頭痛が生じる模様。
自分はまだ症状が軽いんですが、重い場合は明確にしんどさを感じる人も。
気象病は現在研究が行われている最中で、症状を和らげる薬も販売され始めています。
ともに漢方が含まれている「テイラック」や「キアガード」で調べてみてください。
モネのところに、再びあかりちゃんが姿を見せる。
口ベタな彼女になんとか重い口を開いてもらうと、なんと亜哉子さんの教え子だったことが判明!
「永浦先生」という響きが新鮮!
モネはさっそく実家ににあかりちゃんを連れていき、2人で話してもらうことに。
あかりちゃんは、小学校1年生のときに、亜哉子さん…永浦先生に教わっていたのね。
モネと話すときとは違って、永浦先生には素直に心の内を明かせるし、
永浦先生も話の引き出し方が上手い。
決して新しい学校での生活が嫌なわけじゃない。けど前の生活も楽しかったから帰りたくはなかった、か…。
それで「ときどき」学校をサボってしまっていたのね。
あかりちゃんは、永浦先生と出会ったことで、今抱えている心の痛みを外に出すことはできた。
今はそれだけで十分。
でも本当の想いは、まだ内に秘めているんじゃないかな…。
あかりちゃんが帰ったあとに、亜哉子さんは、モネに当時の話を打ち明け始める。
亜哉子さんは震災時に、小学校1年生のあかりちゃんの担任の先生として、学校で働いていた。
しかし、震災で避難した後の夜に、児童を守る立場でありながら、
一瞬…いや10分くらいの間だけ、モネやみーちゃんのことが心配になって、
気がついたらあかりちゃんたちを置いて学校から離れようとしてしまった。
…亜哉子さんが教師を辞めようと思った本当の理由は、
このときに教師失格だと思ってしまったからだったのか。
彼女もまた、震災によって大きな心の傷を負っていたなんて。
明かされる事実が、またしても重くて辛い……。
あかりちゃんの心の痛みは永浦先生によって癒やされて欲しいし、
永浦先生の心の痛みはあかりちゃんによって癒やされて欲しいと思う。
第105回(10月8日放送)
亜哉子は、家族に「今まで通りカキ棚の仕事をしたい」と伝える。龍己も合意し、残ったカキ棚だけで続けていくこととなった。日曜日、永浦家を訪れたあかりに、亜哉子が勉強を教えていた。そんな二人の姿を、百音・未知・耕治・龍己はほほえましく見守る。あかりの帰宅後、耕治が家族に突然ある提案をする。
https://www.nhk.or.jp/okaerimone/story/week_21.html
亜哉子さんは、震災のときに考えていたことを、家族全員に打ち明ける。
「教師を辞めたのは、決しておばあちゃんの介護のためじゃない。
だからこそ、カキ棚を手伝わせて欲しい」
と改めておじいちゃんに告げる。
「『ここが痛い』と、口に出すだけでいい」という言葉の通り、亜哉子さんは、
これまでずっと心の重荷になっていたことを家族に話すことで、ようやく楽になることができた。
そして彼女が話している間、一言も口を出さずにただ背中に手を掛けていた耕治も、すごく良かった。
まさに「ニコイチ」だ…!
結局、カキ棚の復旧はしないものの、残ったカキ棚だけで再びやっていくことを決定。
ひとまず良かった…。
永浦家では、おばあちゃんの七回忌が執り行われていた。
お経をあげるのは三生!すっかり立派な住職になって…!
法事を終えて、おばあちゃんの思い出を語り合う家族たち。
「好きなこと、しなさいね」
かつて亜哉子さんがモネに対して掛けた言葉は、
もっと前におばあちゃんから亜哉子さんに対して掛けた言葉でもあったとは…!
ひとつのポジティブな言葉が、家族に受け継がれるのって、ほんと素敵だ…。
みーちゃんも、この言葉が進路のヒントになるのかな?
そしておじいちゃんも、「思い出すのが笑顔だけなんて、ファンタスティックじゃないか!」と、
最高にカッコいいセリフで亡き妻を偲ぶ。
でもその後の「会いたくなっちゃったな…」の一言もまた、ファンタスティックだと思うよ!
ほんとこのドラマは、大人たちの言葉の選び方が素晴らしい。
「ファンタスティック」、案の定Twitterでトレンド入りしていたな…。
モネは職場で、あかりちゃんと再会。
あかりちゃんは、やりたいことがみつからないとモネに打ち明ける。
てっきり気象予報士になりたいのかと思った…そうじゃなかったのか!
でも確かに、中学生だと将来自分がやりたいことなんて、具体的にイメージしにくいよね。
島を出てきたばかりの頃のモネと重なる部分も、あるよなあ…。
勉強が苦手と明かすあかりちゃんを、モネはまた自宅に誘い、亜哉子さんがあかりちゃんの勉強を教えることに。
その姿を見た耕治は、自宅にホワイトボードとテーブルを持ち込み、
亜哉子さんに、島の子どもたちを集めた塾を始めたらどうだと提案する。
確かに、それなら民宿や牡蠣の養殖の手伝いと両立できる!
耕治、考えたな…!
「助けてもらってばかりで悪い」と話すあかりちゃんに対して、モネはこう返す。
「助けてもらってばっかりだったとしても、それはそれでいいっていう世の中の方が良いんじゃないかな」
こんな言葉を、モネが言えるようになるなんて!
それはモネが、助けられるだけの立場から助ける側の立場にも立ったからこそ、
言える言葉でもあるんだよな…。
個人的には、助けてもらってばかりだと申し訳ないと思う気持ちは無くならないし、
その気持ちは持っていて良いと思うんだけどね。
その気持ちが、次の行動の原動力となることも、往々にしてあるのだから。
いわゆる「好意の返報性」ってやつですね。
おじいちゃんや亜哉子さんの心配事は、大分解消されてきた。
一方で耕治やみーちゃんについては、今週はサラッと触れた程度。来週が本番なのかな…?
あと、りょーちんもか。
まだまだ、課題は残っているな…。