気象予報士試験 合格までの軌跡(1/4)…試験勉強を本格的に始める前

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これまで:天気や気象には無縁の人生

気象予報士試験を受ける人は、小さい頃から天気が好きだったり、若くしてお天気キャスターになりたいと願っている人も多いのですが、自分はそのどちらもでもありません。

むしろ、小さい頃は天気予報が嫌いでした。

新潟県で生まれ育った自分にとって、冬の天気予報はいつも雪。いつも太平洋側は晴れていて羨ましい…と、天気予報を見るたびに鬱々とした気持ちにさせられたものでした。

大人になって上京して、雪の心配もなくなり天気予報も嫌いじゃなくなったものの、天気予報は日々の生活の中で普通に利用するだけで、天気のしくみを深く知ろうという気持ちは起きなかったです。

ただ、サイトやアプリの雨雲レーダーを時間ごとに動かして、今後の降水や落雷の動向を予測することは昔からやってました。現在の情報を元に未来を予想する、といったことは好きでしたね。

2018年春:きっかけは1人のVTuber

転機が訪れたのは2018年の春頃。ウェザーニューズ社のお天気系アンドロイド「ウェザーロイド Type-A Airi」(通称ポン子)が、その予測不能かつエキセントリックな言動によって、Twitterを始めとしたネット上で大いにバズっていたのです。頻繁に身体がねじれたり、天気予報とは関係ない占いのコーナーで常にかに座を最下位にしていたり…。「一体何なんだこれは」と思って動画や配信を見始めているうちに、気がついたら自分もガッツリハマってしまいました。ちょうどVTuberブームが始まって間もない頃ですね。

ポン子は、気象予報会社によるキャラクターにも関わらず、配信の内容はほとんど気象とは関係のない内容で、だからこそ普段は気象にさほど興味のない自分たちのような層にも刺さったのだと思うのです。

ただ、その配信の合間には当然ポン子による天気予報のコーナーもあって、その解説が詳しかったことから、自然とポン子以外の通常のウェザーニュースの配信も見始めて、気象学に興味を持つようになりました。ウェザーニューズ側からしたら、まさに狙い通りだったでしょうね…。

2018年初夏:1冊の本との出会い、しかし…

初めて気象学の本を買ったのもこの頃。学生時代は理系だったこともあって、以前から書店の自然科学のコーナーはたびたび眺めていたのですが、ちょうど気象学に興味を持ち始めたタイミングで、気象予報士試験の対策本である「イラスト図解 よくわかる気象学」の本を発見。思わず手に取って読んでみたところ、テキストらしからぬ親しみやすさに衝撃を受けて、「これなら自分でも理解できるのでは?」と軽はずみに思って、つい買ってしまったのがきっかけでした。

「イラスト図解」は、各項目の冒頭に「博士」と「学くん」という2人のキャラクターによるマンガが差し込まれていて、初めて気象学を学ぶ人にもとっつきやすいのが特徴。ただし内容は本格派で、理解しながらひとりで読み進めるのに一苦労。それでも、わかりやすさに徹した説明のおかげで、1ヶ月ちょっとの期間で、なんとか最後まで一通り読み通すことができました。

今思えば、理解度は浅かったとは思うのですが、まがりなりにも読破できたのも、学生時代の物理や化学や数学の知識があったからこそ。気象予報士試験には文系の受験者も多いとは聞いていたので、「これはもしや、他の受験者を出し抜けるもでは?」と思ったのも確かです。

そこで気象予報士試験について調べてみたのですが、読了した時点ですでに2018年夏の試験申し込みは締め切られてました。また資格を取っても活かしきれない人が多いという話も聞き、そのうち持ち前の飽きっぽい性格から、試験への興味は徐々に薄れていってしまいました。

そこから勉強を再開するまで、2年の年月が空くことになります…。

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プロフィール

気象予報士。ほぼ独学で第55回気象予報士試験に合格。新潟県上越市出身。川崎フロンターレのサポーターで、全国各地へのサッカー観戦やご当地グルメの食べ歩き、温泉めぐりが趣味(現在自粛中)。好きな季節は春、好きな雲は積雲。SEから気象に関する仕事への転職に向けて準備中。

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