第12週「あなたのおかげで」
8月2日(月)~8月6日(金)放送分
第56回(8月2日放送)
東北の太平洋側に大型の台風が近づいていた。百音(清原果耶)は、気仙沼の実家に電話し、さまざまな対策を伝える。耕治(内野聖陽)や亜哉子(鈴木京香)は、そんな娘のようすに頼もしさを感じるのだった。そんな中、下宿先の大家・菜津(マイコ)の祖父・肇(沼田 爆)がテレビでのスポーツ観戦に夢中になりすぎて、熱中症になってしまう。百音はとっさに近くの病院に勤める菅波(坂口健太郎)に、助けを求めるが…。
https://www.nhk.or.jp/okaerimone/story/week_12.html
北日本に直撃する台風、まさに現実とリンク!
実家に連絡したモネは、おじいちゃんに、船を島の東側ではなく西側に繋留するように指示。
台風は反時計回りに風が吹くので、進行方向の右側半円の方が風や雨の被害が大きくなる。今回の台風は南東から北西に進んでいるので、モネの指示は確かに的確!
耕治は、みーちゃんの些細な変化にも、ちゃんと気付いているんだな…
一方、銭湯では、菜津さんのおじいちゃんが、部屋の中で倒れてしまう。
モネはとっさに菅波先生に連絡。さっそく駆けつけてくれて、的確に対処を行い、おじいちゃんも無事回復。オリンピックを見ていて熱くなりすぎて、熱中症になってしまったのか…。色んな意味で「熱中」症だわ。
そして、倒れていないおばあちゃんへも、水分補給を勧める配慮もさすが菅波先生!
古代オリンピックでも、観戦中に熱中症で命を落とす逸話があったとは…!2500年前か!
当時よりもさらに地球が暑くなっている現代は、部屋の中でも熱中症になる危険性があるので本当に要注意!こまめに水分を摂りましょうね…。
ひとしきり対処が終わったあとで、モネはすーちゃんに、菅波先生との仲を詮索されてしまう。すーちゃんのドヤ顔がほんと面白い…!我々も釣られてニヤニヤしてしまう。
そして菅波先生にお礼を言うモネ。
「先生のおかげで、助かった」
…しかしこの一言で、菅波先生の雰囲気が一気に変わってしまう。
そう言えば、菅波先生の過去は、まだ明かされていない部分があったっけ…。
第57回(8月3日放送)
いよいよ宮城県に大型の台風が迫る。百音からの情報を参考に、気仙沼では耕治たちが、登米ではサヤカ(夏木マリ)たち森林組合の面々が、それぞれに対策を進めていた。船を波から守るため、新次(浅野忠信)は耕治からのある提案に乗る。そんな父親の姿に、亮(永瀬 廉)も喜ぶのだった。やがて台風が去り、百音は家族たちから、おかげで助かったと感謝され喜ぶが、そんな百音に莉子(今田美桜)は…。
https://www.nhk.or.jp/okaerimone/story/week_12.html
東北への台風上陸前日!
台風は高波だけではなく、高潮にも要注意!
特に湾となっている場所は、台風の吹き寄せ効果によって潮位が高くなりやすい場所。気仙沼のみんなは大丈夫だろうか…。
久しぶりにりょーちんや新次が登場!新次は今日は酔ってない!そして天気図が完璧に書けている…さすが海の男!
耕治は新次の元に向かい、船を動かして避難してもらうように依頼する。
そう言えば、モネの出産のときも、新次に頼み込んで船を出してもらっていたんだった。古くからの友人からの願いに、新次も応え、船を出すことを決意する。表情が明らかに生き生きとしているじゃないか…!
そして台風一過!昼過ぎまで「残業」していたマリアンナは、強い雨と風の中での中継ですっかり汚れてしまい、モネに連れられて下宿先の銭湯へ。
マリアンナの入浴シーンは…さすがに無いか。ほんの一瞬だけ、期待してしまった……。
風呂から上がって、お酒とおつまみですっかり寛ぐマリアンナ。そこにすーちゃんも混じって、ちょっとした酒盛りに。盛り上がっている最中にモネのおじいちゃんから電話が入り、モネのおかげで、船も牡蠣もみんな助かったと感謝される。良かった…!
電話を切ったモネは、「やっと誰かの役に立てた」と喜びに浸る。その言葉に、すーちゃんも鋭く反応。
すーちゃんもまた、震災後に無力感を感じて明るさを失っていたモネのことを、ずっと気にかけていたんだろうな…。
しかしそんなモネに、マリアンナが鋭い一言を浴びせる。
「人の役に立ちたいって、結局自分のためじゃない?」
…確かに彼女の行動原理から考えれば、そう言いたくなるのも分かる。
でも個人的には、
自分が誰かの役に立てていると感じる気持ち:「自己効力感」が、
自分自身の存在を肯定的に認められる気持ち:「自己肯定感」に繋がると思ってる。
人の役に立ちたいと思う気持ちは、決して間違いじゃない。
第58回(8月4日放送)
百音は、莉子から言われた一言をきっかけに、「人の役に立ちたい」という自分の目標を見つめなおす。同じころ、未知(蒔田彩珠)も研究が思うように進まず悩んでいたが、亜哉子はそんな娘をはげます。ある日、車いすマラソンの選手・鮫島(菅原小春)がウェザーエキスパーツを訪れる。鮫島は、気象情報を競技に生かすため朝岡(西島秀俊)を頼ってやってきたのだった。
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マリアンナは良くも悪くも、言動が分かりやすいよなあ…。
それにしても、すーちゃんは初対面のはずのマリアンナと仲良くなるのが早過ぎ!その圧倒的なコミュニケーション能力が羨ましい…!
マリアンナの一言に悩むモネと、研究の進捗状況が思わしくないみーちゃん。
2人とも、机の上に頭を突っ伏して悩んでる姿がシンクロしていて、やっぱり姉妹だな…。
いよいよ、話はパラアスリート編へ!
車椅子マラソンの選手の鮫島さんは、関西弁でクセが強い!喋りが暑苦しい!
けど勝利への情熱は誰よりも持っていることも伝わってくる。
車椅子マラソンの説明の部分は、ちょっと具体的過ぎて、さすがにドラマから浮いているような…。牡蠣の養殖の説明のときと同じ印象。もう少し自然に組み込んで欲しかった。
ウェザーエキスパーツ社では、まだスポーツ選手を対象とした気象面でのサポート業務は行っていなかった。
社長はいつも笑顔だけど、お金にはシビア!鮫島さんのサポートには難色を示す。さすがに単なるひょうきんおじさんではなかった…。
ましてや車椅子マラソンの活動には多額の費用が必要。勝てばスポンサーが付くけれど、現状では難しい。
それでも、朝岡さんは、自費でモネたちの残業手当てを出してでも、鮫島さんをサポートしようとしていて、「スポーツ気象」に強くこだわっている。それは、天気への興味を多くの人に持ってもらう上で、「スポーツ気象」が一番分かりやすいから、か…。
朝岡さんは、気象キャスターをやめてまで、何をやりたいと考えているんだろうか…。やっぱり独立して、スポーツ気象の新会社を設立しようとしているんだろうか!?
一方で、スポーツには興味が無かったのに、残業代が出ると知ってアッサリ協力に転じる神野さんと内田くん。その現金さが清々しい!でも自分も同じように打診されたら、やっぱりコロッと変わると思う。
ちなみに、ウェザーエキスパーツ社の監修を行っているウェザーニューズ社は、昔からスポーツ気象の部署が独立して存在していて、実際にビジネスとして成り立たせてる。
2015年のラグビーW杯で南アフリカに奇跡の勝利を挙げたときも、チームに帯同していたスポーツ気象班が、試合当日のスタジアムの天気や風の状態を読み切ったのが、勝利の要因のひとつだった。
スポーツ気象がお金になるかならないかというやり取りも、おそらく過去にウェザーニューズ社で実際にあったやり取りなんだろう。そう考えると、また興味深い…。
第59回(8月5日放送)
朝岡の、いずれ気象キャスターをやめるつもりだという発言に、百音たち気象班一同は大騒ぎに。しかし、莉子は、そうなれば後任は自分になるのではないか、と期待を膨らませる。未知は仕事で思うような成果を出せず、焦りから電話で百音に少し当たってしまう。そんな中、内田(清水尋也)が見つけたある物から、朝岡がスポーツ気象にこだわる本当の理由が明らかになる。
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モネはマリアンナとも内田くんともすっかり連携が取れていて、チームらしくなってきたなー!
高村デスクは、15年前にキャスターとして表舞台に立っていたことが判明。
でも「キャスターは大変よ、特に女性は」という言葉から察するに、過去に相当キツいことがあったんだろうな…。
研究も恋愛も思うようにいかないみーちゃんは、つい電話でモネにキツく当たってしまう。大人っぽくてクールなみーちゃんの、ふとしたときに見せる年相応の妹っぽさが、人間くさくて憎めない。
みーちゃんも完璧超人ではないんだな…と、ちょっと安心する。
朝岡さんは、箱根駅伝で「風の神」と呼ばれるほど選手だったのか…。
しかし熱中症による脱水症状を起こして途中棄権してしまい、50年以上繋いでいた伝統のタスキを途絶えさせてしまった。
…朝岡さんもまた、トラウマになるほどの重い過去を背負っていたんだな…。でもそこから立ち直れたのも凄い。
そしてリオ五輪の選考会を熱中症で棄権した鮫島さんに、朝岡さんが強い共感を抱いていた理由も、これで良く分かった。
細かいところだけど、朝岡さんが大学時代に倒れたときの新聞記事の見出しは、「熱中症」ではなく「熱射病」になっていた。
2016年の23年前…1993年の時点では、確かにまだ「熱射病」や「日射病」と言っていたな…。
でも熱射病も日射病も、「身体から熱が放出できずに熱が籠もってしまい、脱水症状によって具合が悪くなる」という症状自体は同じ。
またこの症状は、太陽が出ていないときや部屋の中でも起こり得る。
そもそも病気ではないので「○○病」と表記するのも不適当だった。
そういった経緯から、2000年に、熱射病・日射病から「熱中症」に表記を統一。
名前が分かりやすく正確になったことで、対処も的確に行われるようになったと思う。
ちなみに、今朝行われていたオリンピックのマラソンスイミングの競技は、会場のお台場の水温が30℃に達していて、泳いでいても熱中症に罹る危険性があるため、通常のマラソンと同様に給水を摂る必要があるとのこと。
なるほど、ただでさえ長時間泳いでいると体内の水分が減って脱水症状になりやすい上に、水温が体温に近くなると、身体の中に籠もった熱を外に逃がせられないんだな…。
改めて、「熱中症」の表記変更が適切だったことが良く分かった。
第60回(8月6日放送)
百音は、100パーセント自分のためと言い切って車いすマラソンの練習に臨む鮫島の姿に心動かされ、一方で「人の役に立ちたい」という目標について、さらに思い悩むのだった。鮫島のサポートには医師の力も必要だということになり、百音は思い切って菅波に頼んでみる。洗濯のついでに汐見湯を訪れた菅波に、百音は、ずっと以前に菅波に言われたある事について、その真意を聞くが…。
https://www.nhk.or.jp/okaerimone/story/week_12.html
「自分が自分のために頑張っていることが、巡り巡って誰かのために役立っている」
…そうそう、モネもようやく気付いてくれた!
「誰かの役に立ちたい」という思いばかりが先行してしまうと、よほどの聖人でもない限り、どこかで精神的にキツくなってしまう。
まず「自分のために頑張る」、それが巡り巡って「誰かの役に立つ」。
…この考え方が、自分も他人も楽になる心の持ちようだと思う。
自分も忘れそうになってしまうのだけれども。
鮫島さんの活動をサポートする上で、医療面でのサポートも必要なことが分かってきた。
そこでモネは菅波先生にサポートを依頼!いくら医者と知り合いだからとは言え、鮫島さんの件でも菅波先生と繋がるとは思わなかった…!
あと、モネから菅波先生へのメッセージに興味津々な登米の人たち…相変わらずだな~。
そしてついにモネは、菅波先生から言われた「『誰かの役に立ちたい』という言葉は、麻薬だ」という言葉の真意に迫る。
「『誰かの役に立ちたい』という言葉は、何も持たない無力な人にとって、これ以上無い快楽となる。その言葉を聞きたくて、もっともっと突っ走ってしまう」
…そうして菅波先生は、「ある人の人生を奪った」わけか。
やはり、重い過去を背負った上での言葉だったんだな…。