おかえりモネ感想-第24週「あなたが思う未来へ」10月25日(月)~10月29日(金)放送分

第24週「あなたが思う未来へ」
10月25日(月)~10月29日(金)

目次

第116回(10月25日放送)

百音(清原果耶)がラジオの放送をしている間、菅波(坂口健太郎)と亮(永瀬 廉)がみんなの広場で話し込んでいた。菅波の言葉で何かが吹っ切れた亮は、未知(蒔田彩珠)が待つ喫茶店へと向かう。一方で菅波は、今の百音との関係を耕治(内野聖陽)と亜哉子(鈴木京香)が理解してくれるのだろうかと、不安に陥っていた。百音は、そんな菅波を励ましながら一緒に実家へと向かう。

https://www.nhk.or.jp/okaerimone/story/week_24.html

モネがラジオの生放送で喋っているのを見ながら、
菅波先生とりょーちんが話し始める。
この2人がモネを目の前にしてサシで話し込むというのは、
奇妙な構図ではあるけれど、昔と違って穏やかな雰囲気で、それがすごく良い…。
りょーちんも、大人になったな…。

菅波先生がつぶやいた「19対5」は、2人がモネと過ごしてきた年数のことだった。
りょーちんの19年に対して菅波先生は5年…、
菅波先生は、今更そんなことで自信は揺らがないと胸を張るものの、
でもやっぱり少し羨ましいともこぼす。

自分の知らないモネの姿を知っているということに、
嫉妬してしまう気持ちは良く分かる。
けど、仕方ないんだよね…。

そんな菅波先生に対して、りょーちんは、
大事な人を突然失うのは怖くないか、と問いかける。
それはりょーちんがずっと囚われ続けてきたトラウマでもあった。
でも菅波先生は、静かに、けれど力強く、こう語る。

「未来に対して、僕らは無力です。
だから、せめて今目の前にいる人を大事にする。
それ以外に恐怖に立ち向かうすべはない」

菅波先生も、これまでの人生や医者としての仕事を通じて、
何度も己の無力さを思い知らされてきたんだろう。
でも、その無力さこそがスタートラインであって、
そこから自分に何ができるのかを考えてる。
実に菅波先生らしい人生観だな…。
そしてこれは医療だけでなく、気象や防災についても、
同じことが言えるのだと思う。

菅波先生の言葉を聞いたりょーちんは、
意を決して、みーちゃんの待つ喫茶店へと向かう…。


ラジオの放送を終えたモネは、菅波先生と2人で話すことに。
電話では何度も話していたけれど、こうして直接顔を見ながら話すのは
ものすごく久しぶりなのでは。
#俺たちの菅波 のハッシュタグを使うのも、本当に久しぶりだもの…!

久しぶりの菅モネだけど、最初の頃のような一方的な関係とは違って、
菅波先生もモネに弱さを見せることもあって、それに対してモネが支えてる。
お互いに支え合うようになったこの関係性が、すごくすごく良いんだよ…!!

そうして、2人は、いざ島に向かうのだった…。


喫茶店に着いたりょーちんは、みーちゃんに自分の気持ちを話し始める。
りょーちんは、ずっとみーちゃんと一緒にいることで、
自分への好意だけでなく、ふとしたときに見せる苦しさも、感じ取っていた。
それは、みーちゃんと似たような境遇や性格で、
ずっと一緒にいたりょーちんだからこそ、感じ取れることでもある。

だからこそ、りょーちんはハッキリとみーちゃんに言う。
「みーちゃんを心の底から笑えるようにしてやるのは、俺しかいない」
これぞまさに、心の壁がなくなったりょーちんの本気の告白!
なんてカッコいい告白なんだ…!!

更に畳み込むように、りょーちんは、
あの嵐の中で、みーちゃんに逢いたかったと思っていたことも伝える。
こらえきれず泣き出すみーちゃん。
そんな彼女を見て、すぐに隣に駆け寄るところも、相変わらずりょーちんっぽい…!

そしてみーちゃんも、ついにりょーちんの胸に顔をうずめた!
あんなに強がっていたみーちゃんが…!!
良かったな、みーちゃん…!

そして、ここでOPテーマが流れ出す!
最終週の月曜日とあって、演出も劇的!

りょーちんとみーちゃんは、2人とも気持ちを内に秘めてしまう性格だけど、
そんな似たもの同士だからこそ、わかり会えることも多いんだと思う。
でも2人ともまだまだ危なっかしいから、困ったら周りの人を頼りにして欲しい。
さて、あとはみーちゃんの進路選択か…。


菅波先生とモネは、いよいよ2人で永浦家の敷居を跨ぐ。
「緊張していらっしゃる?」とモネに聞く菅波先生もまた、
ガッチガチに緊張していた。
2人の緊張が、見ているこちらまで手に取るかのように伝わってくる。
いよいよ、挨拶のときが来た!

…しかし、居間には耕治がいなかった。
張り詰めていた緊張からの緩和の落差が激しすぎる!

おじいちゃんは「逃げたんだな」と断言。
この期に及んで、何やってるんだコージー…。
漁師になるとおじいちゃんに啖呵を切ったときはあんなにカッコ良かったのに、
自分の娘のこととなると…ねえ。

居間には菅波先生とモネ、そして亜哉子さんが作った大量のごちそうだけが、
残されるのであった…。

第117回(10月26日放送)

耕治の帰りを待つ間、百音は菅波に、未知の研究スペースを案内する。そこで二人の仕事について語り合っていると、泥酔した耕治が帰ってきた。「将来を誓い合う二人がする会話か」と文句を言いながらも、いつの間にか百音・菅波・耕治の3人でこれからの仕事について話し合う。そして菅波は改めて自分たちの将来について話す。それを聞いた耕治と亜哉子は…。

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初めて訪れた彼女の実家で取り残される菅波先生。
めっちゃ気まずいよなあ…。
いつの間にか、テーブルの上の料理もなくなってる。
耕治が帰ってくるまでに時間がありすぎて、
先に食べてしまったんだな…。

モネは菅波先生に、みーちゃんとおじいちゃんの仕事部屋を案内する。
そこでモネは牡蠣の養殖と気象情報を結びつけた新たな仕事について、
菅波先生は地域医療の新しい形について、将来の展望を語り合う。

そんな2人の語らいに、突然耕治が割り込んできた!
案の定、ベロベロに酔っ払ってる!
確かに「色気のない話」ではあるけれども!


酔いを覚ました耕治は、なぜか挨拶をすっとばして、
ひざを突き合わせて長浦水産の事業計画を話し始める。
さすが銀行員、事業計画書もしっかり作り込んでいた。

確かに親父と同じようにやることはできないけれど、
自分なりのやり方を模索すればきっとできると熱く語る。
その考えと熱気に、菅波先生も呼応。
そして、一番伝えたいことを、耕治に伝える。

「お父さん、百音さんと僕も、それぞれが違う場所で仕事をしながら、
2人で一緒に乗り越えていきたいと思っています。
見守ってもらえないでしょうか」

耕治は、「お父さん」「百音さん」という呼び方に難癖をつけるも、
亜哉子にたしなめられると、改めてモネに、気持ちを確かめる。

「私は…先生じゃないと、ダメだから」

静かにデレたな、モネ…!!
耕治も娘からこんなこと言われたら、何も言えないよね。
こうしてようやく、耕治から2人の仲が認められたのだった…。

そしてタイミング良くみーちゃんからも、
ちゃんとりょーちんと話すことができたと、LINEが届く。
すべて丸く収まった…。

とそこで、突然席を立ち、廊下で涙ぐむモネ。
みーちゃんのことも自分たちのことも上手く行って、
緊張の糸がほぐれたんだな…。
そんな涙を流すモネに、菅波先生は寄り添い、優しく「手当て」を行う。
その光景を見て、思わず「ニコイチ」だと苦笑する耕治と亜哉子…。
ここまで、本当に長かった…!


それにしても、菅波先生はモネの両親との挨拶で、
てっきり「結婚させてください」と言うのかと思ったけど、
「見守ってください」という言葉に留めたんだな…。
あくまでも、まだ結婚はしないということか。
それもまた、結婚という制度に捕われない、新しい2人のあり方だと思う。

大切なのは、2人が同じ目的を共有して、お互いを想い支え合うこと。
そこがブレなければ、絶対に大丈夫。

一方で、コージーとしては、一夜にして娘2人の縁談を聞かされて、
さらに酔っ払いたい心境だろうな…。
寂しさと嬉しさが入り混じった状態で涙を流しながら酒を呑む耕治を、
つい想像してしまう…。


翌朝、菅波先生の元に、中村先生から電話が入る。
「感染症で呼吸器系の医者の人手がいるから、戻ってきて欲しい」
…えっ、それはもしや…!!

島を離れる前に、海岸沿いを歩く2人。
「春に逢いましょう」とモネに優しく話す菅波先生。
だけど、澄み渡って穏やかな気仙沼の光景とは裏腹に、
見ている我々の心は、さざなみ立つのであった…。

第118回(10月27日放送)

百音は遠藤(山寺宏一)らに、気象情報の投稿アプリとコミュニティFMとを連動できないか? と提案する。双方向に情報をやりとりして、災害時の避難行動につなげようと考えたのだ。みなは、提案に興味を示してくれる。百音の仕事は、少しずつではあるが軌道に乗り始めていた。一方で未知は、大学に行くかどうかで悩んでいた。百音は、未知の心の内を聞こうと、ずっと胸にしまってきた“あの日”に触れる。

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今日の冒頭は、昨日の最後にも流れた、
気仙沼から出発する菅波先生とそれを見送るモネとのシーンから。
…だけど、菅波先生が去っていくシーンを、スローモーションにしないで!
その思わせぶりな演出に、ものすごく不安にさせられる…!!


モネの仕事もまた、新たな企画が芽吹き始めていた。
ウェザーエキスパーツ社で作ったアプリに寄せられた気象情報を、
コミュニティFMと連携させるとは!

これができれば、事前に予測しにくい局地的な大雨や突風、また災害発生の情報も、
ユーザーからの情報提供によって迅速に広報することが可能になるはず。
かつて仙台で夜通し飲んでいた三生と悠人が、
突風によって店の看板が落下しているのを発見して、
モネを通じて注意喚起を促したときのように。

繰り返しになってしまうけれど、ごく狭い範囲で起こる局地的な天気の急変は、
気象庁の気象モデルだけではなかなか予測しにくいのですよ…。

山ちゃん演じる遠藤課長も、この案には前向き!
モネが気仙沼に帰ってきたばかりの頃は、完全によそ者扱いしていただけに、
ようやく遠藤課長をはじめとした地域の方々に、
モネの継続的な活動が少しずつ認められてきたんだな…と胸が熱くなってくる。


気仙沼の市民プラザに、あの大学生の水野さんが、再びやってきた。
まさかまた出演機会があったなんて…!
水野さんは、ボランティア活動を継続させることの難しさに直面して、
一度は東京に戻ってしまっただけに、
どんな顔をして来れば良いのか分からなかったと語る。
そんな彼女を、モネは「ただ会えたことが嬉しい」と、優しく受け止める。

よそ者扱いされて疎外されてきて、それでも地域に根を下ろし始めたモネが、
今度は外から来た水野さんを、温かく迎え入れる側に回ってる。
この立場の変化もまた、感慨深い…。

その後のラジオで、モネは宮田さんが汐見湯でホルンで吹いてくれた曲を
BGMとして流しながら、優しく語りかける。

「一度諦めたり、またやってみたり、そんなのでも良いんだって」

…だから誰だって、またやり直せる。
そのメッセージは、ラジオやドラマを超えて、自分の心にもすーっと入ってきた。
このドラマは、傷ついたり挫折したりしている人たちに、
どこまでも温かく寄り添ってくれる。
それがすごくすごく嬉しくて、自然と涙が溢れてしまう。


みーちゃんに残された課題、それは将来の進路。
みーちゃんは、まだ大学に行くかどうかを迷っていた。
りょーちんも、みーちゃんの大学行きのことは知っていたけれど、
みーちゃんの結論は未だに出ていない。

モネはみーちゃんに大学行きのことを尋ねる。
しかし、みーちゃんは「私はどこにも行けない、ここから離れられない」と言い、
大学進学は諦めるとモネに伝える。
みーちゃんが「縛られているもの」から、彼女を解き放つために、
モネは思い切って、「あの日」に一体何があったのかを、問いかける。

「おばあちゃんを置いて、逃げた」

みーちゃんが何を言っても、何度言っても、
おばあちゃんは自宅から離れようとしなかった。
結局みーちゃんは1人で逃げ、おばあちゃんは後で
救助の人たちに助けられたのだと言う。
そのときの悔恨が、みーちゃんの心を、縛り付けていたんだな…。
でもそれは、中学1年生が背負うには、あまりにも重すぎるよ…。

みーちゃんも、ずっと一人で抱えるのは辛かっただろう。
9年経って、ようやく話すことができた。
それだけでも、大きな一歩だと思う。
ただ、残り2回で、みーちゃんの心を縛り付けているものを、
解放することはできるだろうか…。
まさか最終盤になって、さらに重い事実が明らかになるなんて…。

第119回(10月28日放送)

ある日、気仙沼にサヤカ(夏木マリ)がやってきた。百音は、登米でサヤカと過ごせたことへの感謝の気持ちを改めて伝える。サヤカは、誰が来ても受け入れて、いつでも行っておいでと送り出す人。百音は、未知にとってのサヤカのような存在になれないかと考えていた。翌日、百音は未知を誘って浜へ行く。その後、百音は、幼なじみと久しぶりに再会する。

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サヤカさんが、モネの職場にやってきた!久しぶり!!
最終回を迎える前に、再び姿を見ることができて良かった…!

モネは、サヤカさんみたいになりたいと語る。
それは、誰が来てもおかえりと受け入れて、
いつでも行ってらっしゃいと送り出すことができる存在。
登米でモネがサヤカさんにしてもらったように、
今度は気仙沼で、モネがみーちゃんにしてあげる番。
先日、水野さんを温かく迎え入れたように。
モネが地元に帰ってきた理由に、ようやく芯が通ってきた…!

おばあちゃんが転生した木の芽は、サヤカさんの山に植えるつもりなのか…!
てっきり亀島の長浦家の庭に植えて、末永くモネたちを見守るのだと思っていた。
けど、登米であのヒバの代わりに、これから何百年かけて大きく育って、
地域に人たちを見守り続けるという流れも、これはこれで壮大で良いな…。

モネというあだ名は、みーちゃんが幼い頃に「ももね」と言えなくて、
「おねえちゃん」と混じって、「モネ」と言っていたからだった…。
ラスト2回で、まさかそんなエピソードが明かされるなんて!
震災後はすれ違いの多かった姉妹だけど、小さい頃のみーちゃんは、
「もねえちゃん」のことを慕っていたんだな…。


そのモネは、みーちゃんを浜辺に呼び寄せる。
あの日の記憶は、決して消えることはない。
だから思い出すたびに「みーちゃんは悪くない」と言い続ける。
モネの言葉に、涙を流すみーちゃん。
そんな彼女を抱きしめながら、モネは何度も何度も言い続ける。
「みーちゃんは悪くない。絶対に悪いない」
そう語る姉の口調は、どこまでも優しくて、温かい…。

そしてモネは、これからは自分が島にいるから、
今後はみーちゃんが好きなところに行けば良いと、笑顔で送り出す。
そんな2人に、ナレーションでおばあちゃんが言葉を掛ける。

「忘れたいって大事だけど苦しい。だからときどき忘れて笑ってね」

みーちゃんもモネも、耕治や亜哉子やおじいちゃんも、
りょーちんや新次や幼なじみたちも、
傷ついたすべてのひとたちにとって、
傷ついた記憶は決して脳裏から消えることはないだろうし、
これからも自分を責めてしまうこともあると思う。

でも自分の心の傷を無理に解決しようとするのではなく、
傷ついていることを認めて、傷と上手く付き合いながら生きていけば良い。
そんなおばあちゃんからのメッセージも、すごくすごく優しくて心に沁みる…。


モネは地域の人たちを前にして、自分が展開しようとしている気象情報サービスの
プレゼンを行う。
「マイ・タイムライン」
災害時に欲しい情報や取るべき行動は、一人ひとり違う。
だからこそ、きめ細かな防災情報を伝えるためのサービスを提供するために、
モネは動き出した…!

そして発表後の質疑応答で手を上げたのは、なんとマリアンナ!
すっかり仙台のニュースキャスターとして板についてきたな…。
でも、この「マイ・タイムライン」事業も、
マリアンナの取材によってテレビで大きく取り上げられたら、
県内のさまざまな自治体や企業で採用されていくはず。

もっとも、質問する側と答える側の2人とも、
同じウェザーエキスパーツ社に所属する社員なので、
マッチポンプではあるのだけれど…。

ともあれ、この新事業はまだ始まったばかり。
それまでは、コサメちゃんと傘イルカくんのグッズ収入が売上の中心になりそう。
この2匹のグッズ、是非とも展開して欲しい!自分も欲しい!


みーちゃんは、大学への合格が決定!
永浦家には幼なじみが勢揃いして、合格祝いの宴が繰り広げられていた。
すーちゃんも久しぶりに島に帰って宴席に加わってる!
相変わらず「マモちゃん」とラブラブなようで…!

大きな紙に書かれた「大学合格おめでとう」の筆文字は、宇田川さんが書いたもの。
宇田川さんも相変わらずお元気そうで何より!
結局最後まで姿は見られなかったけど、それで良いと思う。
あと、小さく「りょーちんも船、おめでとう」と書かれていたな…。

それにしても、最終週でここまで登場人物が勢揃いするなら、
菜津さんにも登場して欲しかった…。
最終回に、みーちゃんの下宿先の女将として登場するのかな?

ともあれ、色んなことを、ラスト2話のわずか数分で
一気に片付けてきたな…!なんという豪腕!!


そんな妹と幼なじみたちの様子を見ながら、
モネは部屋に置いてあったサックスの箱を見つけ、手に取って戻ってきた。
モネが縛られていたもの…そうだ、音楽だ!
モネは今、亀中吹奏楽部のみんなが見守る前で、
自分でサックスの箱を、開けようとしている…!

第120回(10月29日放送)

永浦家では、未知の大学合格をお祝いするため、幼なじみたちが集まっていた。そこで百音は、あの日以来開けられずにいたサックスケースを開こうと決意する。そして2月。百音、未知、新次(浅野忠信)たちに見送られ、亮は海へ。そして、耕治と龍己(藤 竜也)も海へ、それぞれの道を歩み始める。そして数年後…。

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モネがついに、サックスの箱を、自分の手で開けた…!

モネは、サックスの箱を開けたら、
「無力だと思っていた頃の自分」に戻ってしまうのではと、
ずっと思い込んでいた。
みーちゃんやりょーちんだけでなく、モネもまた、
あの日の記憶によって自分を責め、自分で自分の心を縛っていたんだな…。

…でも9年後のモネは、ちゃんと自分で開けられたし、元には戻らなかった。

そんなモネを見て、妹や幼なじみたちから「おかえり」と声が掛けられる。
そしてりょーちんからも…

「おかえり、モネ!」

「おかえりモネ」のタイトルは、自分を苦しめていた心の傷から、
自らの力によって乗り越え解き放たれた後の「おかえり」の意味もあったのか!
最終回にして、もうひとつの、そして真のタイトル回収!
鳥肌が立った!!凄い!!
そりゃ三生じゃなくたって泣くよ!!


2020年2月、りょーちんはついに自分の船を手に入れた!
小さな船と言っていたけれど、立派な船じゃないか…!
そりゃお金も掛かるわけだわ。

一方で、この及川親子をずっと見守り支え続けてきた耕治は、
りょーちんの船出には顔を出さないと新次に伝える。
2人の夢が叶った姿を見ると、安心してしまって
これまで張り詰めてきた気持ちが切れてしまうから、
船を見るのはもう少し先にしたい、か…。

まさか、最後の最後で耕治が、
あの日に縛られたままでいることを選択するなんて。
改めて、あの日によって引き起こされた傷の深さを、
まざまざと思い知らされた…。

結局耕治は見に来れなかったけれど、新次は新しい船を前にして、
美波さんが好きだった派手な柄の法被を息子に着せて、
誇らしそうな表情で見つめてる。
りょーちんは、これまでずっと抑圧されてきた暗い顔ばかりだっただけに、
なおさらこの晴れやかな表情が印象的!
色々あったけど、本当に良かった…。

そんな耕治も、おじいちゃんとともに漁に出かけ、
2人にいってらっしゃいと送り出した亜哉子も、
自宅に子どもたちを呼んで、塾を始動する…。


ここでOP!残り6分!
そして数年後…。


モネの仕事も少しずつ軌道に乗り、
漁師の方々も漁船に気象観測の機器を載せてくれるようになって、
海上の気象データを取得できるようになってきた。

現実でも、気象観測用の船舶が洋上でデータを取得しているものの、
広い大海原にわずか数隻という状況で、
観測ポイントが陸上よりも圧倒的に少ないだけに、
多くの漁船で気象観測ができれば、海上の予想精度は飛躍的に向上するはず。

案の定、朝岡さんをはじめとしたウェザーエキスパーツのメンバーも、
モネの取り組みの進捗を知って大興奮!
ただ、利益を生むまでにはまだ至っていない模様…。
口ごもるモネに、朝岡さんは「信じて続けることですね」と、
後押ししてくれた。

気仙沼で着実に信頼と実績を築きあげつつあるモネ…。
まだ道半ばではあるけれど、その前途は明るそう!


天気の良い昼間に、モネと亜哉子は、塾の子どもたちと一緒に浜辺に出て、
かつてサヤカさんや朝岡さんがモネに教えたように、
今度はモネが子どもたちに、水の循環の話を語る。
水もぐるぐる回ってるし、語り継ぐ人もまた、ぐるぐる回ってる…。

亜哉子と子どもたちを見送り、海を見つめるモネ…
そこに現れたのは、菅波先生!!
良かった、一時はもう二度と会えないのかとも思ってた。

「2年半、会ってない」

…そうか、これは新型コロナとの戦いに打ち勝ったあとの、
未来の世界なんだ!!

「やっと会えた…!」
菅波先生はそう言うと手を大きく広げ、モネは菅波先生の胸に飛び込む。
モネを力強く抱きしめた菅波先生の表情は、単に嬉しいだけじゃなく、
2年半ずっと会えなかった辛さや、すべてをやり終えた安堵感がにじみ出ていて、
そこがすごくグッときた。

菅波先生、本当に本当に、お疲れ様……!
そして「おかえり、菅波先生!」

抱き合いながら、モネの耳には、遠くから音が聞こえていた。
…それは、もうすぐ雨が降る前兆。
これも登米にいた頃にモネが朝岡さんに教わったこと。懐かしい!

そしてこれもまた、「すべてが整ったとき、雨が降る」だ…!
そうだよ、すべてが整ったんだよ!!

かくして、菅波先生とモネは、雨が降る前に、
浜辺を後にして歩き始める。
固く手を握り合い、同じ方向を向きながら…。


…予想以上の最終回だった!!
静かな衝撃が、自分の身体を貫いてる…。
「おかえりモネ」の、真の意味でのタイトル回収といい、
ラストシーンの終わらせ方といい、
ここまで素晴らしいものになるなんて!

この最終話の脚本を書いていた当時も、ドラマの撮影をしていたときも、
新型コロナによる緊急事態宣言が発表されていた頃で、
感染状況がこの先どうなっていくのかを想像するのは難しかったはず。
それでも、この希望に満ちた「未来」を、敢えてラストシーンに据えた。
そのドラマ製作者たちの想いの強さに、胸を強く打たれた…!!


自分は、朝ドラを全部通して見るのは初めてで、
ドラマ中の気象要素目当てで見始めたはずが、
いつしかドラマの展開に夢中になり、
モネと菅波先生にやきもきさせられたり悶絶させられたりして、
すっかりドラマそのものにのめりこんでしまいました。

正直、後半のストーリーは途中で気持ちが折れそうになることもあったし、
気象現象や気象予報士試験の表現の部分でも、
こうすればもっと良くなるのに…と不満が残ることもありました。

それでも、最後まで見続けられたのは、
このドラマが、震災をはじめとした様々な理由で傷ついた人たちが、
それでも生き続けていく模様を描いた物語だったから。
登場人物たちが抱えていたいくつかの傷は、
自分の心の中にも存在していたものだっただけに、
どうしても感情移入せずには見られなかったのです。

モネがみーちゃんに「あなたは悪くない」と言い続けたように、
このドラマは、様々な傷を抱え、傷に縛られ続けてきた多くの人に対して、
「あなたは悪くない」
「何度でも、いつからでも、立ち上がれる」
と、暖かいメッセージを何度も何度も送り続けていて、
自分もその言葉で、何度勇気をもらったことか…。

最後まで観て、本当に良かった!
本当に本当にありがとう、「おかえりモネ」!

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プロフィール

気象予報士。ほぼ独学で第55回気象予報士試験に合格。新潟県上越市出身。川崎フロンターレのサポーターで、全国各地へのサッカー観戦やご当地グルメの食べ歩き、温泉めぐりが趣味(現在自粛中)。好きな季節は春、好きな雲は積雲。SEから気象に関する仕事への転職に向けて準備中。

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