今まで、NHKの連続テレビ小説を見る習慣はまったくなかったのですが、今回の「おかえりモネ」が気象予報士をテーマにしていると聞いて、初めて全部通して見ることを決意!
この春に気象予報士になった者として、めっちゃ楽しみ…!
第1週「天気予報って未来がわかる?」
5月17日(月)~5月21日(金)放送分
第1回(5月17日放送)
https://www.nhk.or.jp/okaerimone/story/week_01.html
2014年春、宮城県気仙沼市の離島・亀島で育った永浦百音(清原果耶)は、高校卒業を機に、内陸の登米市の大山主・新田サヤカ (夏木マリ)の家に下宿して、森林組合の見習い職員として働き始める。サヤカは百音の祖父・龍己(藤竜也)と旧知の仲で、百音は彼女の下で山や木について学んでいた。父・耕治(内野聖陽)は、家を離れた娘を心配して、頻繁に電話をよこすが、百音は忙しくしていて、なかなか連絡が取れない。
まず最初のシーンから彩雲が登場してテンション爆上がり!今後も様々な気象要素が出てきそうで、そこが一番楽しみ!
そして画面の色づくりが綺麗!彩度が高めで優しい色使いで、まさに朝のひとときにピッタリな爽やかさ!
初回はやはり登場人物の紹介がメイン。嵐の中で産気づくシーンからスタートして、そこから一気に2014年まで時代が飛ぶなんて!朝ドラって主人公の女性の幼少期から描くものだとばかり思っていたので、高校を卒業して新卒で登米の森林組合に働くシーンから描かれるとは思わなかった。こちらとしては、モネに早く気象予報士として活躍して欲しいので、この展開の速さは嬉しいのだけど。
主人公の永浦百音を演じる清原果耶は、すっぴんでも綺麗で、流石実績のある女優といった風格。表情がコロコロと変わるのも楽しい。サヤカ役の夏木マリも、こんな味のあるおばあちゃんになっていたなんて…。
あと、語り手のモネのおばあちゃんが、すでに亡くなっていて牡蠣に生まれ変わったのにはビックリ!クイズダービーで「三択の女王」と呼ばれていた竹下景子も、老婆役が似合う年齢に。トレンディドラマのヒロインだった鈴木京香も、モネの母親役がしっくりきていて、時代を感じてしまった…。
そう言えば、最後の観天望気のコーナーに採用されたこんたさんは、自分も予報士試験でお世話になった「TeamSABOTEN」のツイートでお見かけしていた方かな…と思っていたら、その通りでビックリ!初回に採用されるなんて!
第2回(5月18日放送)
百音(清原果耶)は、サヤカ(夏木マリ)の山の樹齢300年のヒバの木の存在を知って、心を揺さぶられる。森林組合の課長の翔洋(浜野謙太)は週末に登米の伝統の能の定例会を控えて、そわそわしていた。百音は、能舞台を見学に行き、サヤカと川久保(でんでん)が、ヒバの伐採について話し合っているのを目撃する。その夜、百音の妹・未知(蒔田彩珠)の水産高校での取り組みのニュースを見て、百音は妹をまぶしく感じる。
https://www.nhk.or.jp/okaerimone/story/week_01.html
樹齢300年のヒバの木の存在感に圧倒。サヤカさんの、
「アスナロはヒノキになれないけれど、アスナロはアスナロの良さがある」
という言葉が、朝から心に沁みた…!
モネの妹のみーちゃんは、水産高校で牡蠣の養殖に取り組んでいて、TV局の取材にも自分の言葉でしっかりと語ってた。その様子をニュース番組で見て、心を揺さぶられる姉のモネ。
みーちゃんはモネよりも若いのに、自分が将来なりたい姿をしっかり描けている。それに対してモネは、生まれ育った島の暮らしには閉塞感を抱いてはいたものの、島を出て何かしたかったわけではなかった。島さえ出ればその「何か」が見つかるだろうと思っていたけど、それはまだ見つけられていない…。
…このモネのもどかしさは、自分も痛いほど良く分かる。新潟の地方都市から仙台の大学に行った自分も、「何かをしよう」「何者かになろう」といったハッキリとしたものはなく、新天地に行けばその「何か」は見つかるだろうと思ってた。根底に流れている閉塞感は、若者ならほとんどの人が誰しも一度は抱く感情だと思う。
だからこそサヤカさんの、ヒノキにはなれないアスナロの話が、ぐっと身近に感じられる。この話の進め方は流石。ただモネには、彼女特有の事情もありそうな気も…。
あと朝ドラ直後の情報番組で、「西島秀俊の気象予報士姿にはまだ馴染めない」と語る博多大吉には笑った。自分は似合ってると思うけど、なまじ他のドラマの印象が強いと、確かにそっちのイメージに引っ張られるというのも分かる。
それにしても、朝ドラの後番組でも、今放送されたばかりの朝ドラの内容を感想を語る文化があるとは…。新鮮な驚き。なるほど、これが「朝ドラ受け」か…。
第3回(5月19日放送)
東京から人気気象キャスターの朝岡(西島秀俊)がやってきて町は大騒ぎに。石ノ森章太郎のファンで、原画展を見に登米を訪れたという朝岡だったが、それだけではなく、実はサヤカ(夏木マリ)とある縁があった。朝岡の歓迎会で周囲が大いに盛り上がる中、百音(清原果耶)は、しっかりと将来を考えている妹や、診療所の若手医師・菅波(坂口健太郎)に対して、引け目を感じて、思い悩んでいた。
https://www.nhk.or.jp/okaerimone/story/week_01.html
今日は色んな伏線が散りばめられていた回。
2011年の震災のときにモネが島にいなかった理由や、気象予報士が抱える悩み、課長に忍び寄る病魔…物語が動き出す下準備がだんだんと整ってきた。
モネが抱える悩みも、昨日自分が思っていた通り。
「誰かの役に立ちたい」
…その実感を得たいのに現状では得られていない自分にモヤモヤするモネ。でも自分から見れば、18歳にしてそう思えることが素晴らしいと思う。自分が幸せになることだけで頭がいっぱいな人は大人だってたくさんいるし、自分もそうだったから。
伏線で言うと、サヤカさんの過去やモネの母親が教員をやめた理由、あと父親と妹もそれぞれに抱えている想いも匂わせていましたね…。
人物描写が自然で丁寧だからこそ、登場人物への感情移入がどんどんと深まっていく。普段ドラマを見ない自分でも、これは今後が楽しみになってしまう!
これは全くの余談になるけれど、自分が気象予報士を目指した理由も、突き詰めていくと
「『自分の能力や経験が、他の誰かの役に立っている』という実感を得たかったから」
だったりします。一言で言うと「自己効力感を満たすため」ですね。
だからこそ、気象予報士にはなったものの、現状に甘んじてまだ本格的に行動に移せていない自分がもどかしい。ドラマが進むとともに、自分の道も切り拓いていければ…。
第4回(5月20日放送)
百音(清原果耶)と翔洋(浜野謙太)は、気象キャスターの朝岡(西島秀俊)を森林セラピーに案内する。その最中、風向きや雨雲のようすから天気の変化を正確に言い当てた朝岡に驚く百音。やがて雨が降り出し、夕方からの能の定例会を中止にしなければならない、と落ち込む翔洋たちを見て、百音は雨が定例会の開始時間までにやむ可能性はあるのか、と朝岡にたずねる。果たして定例会は無事開かれるのか……。
https://www.nhk.or.jp/okaerimone/story/week_01.html
森林セラピーは、疲れそうだけどそれ以上に楽しそう!とかく最近はストレスが溜まりやすいだけに、山の中で思いっきり叫びたい!
一方、昨日匂わせていた課長の体調不良は、単なる花粉症でしたね。てっきり完治が難しい持病を抱えているのかと思ったじゃないか…。ホッと一安心。
あとドラマ内で今後の雨を予測する場面で、さっそく「降水ナウキャスト」を使う場面がきてテンション上がったー!…でも、森の中のようなごく狭い局地的な天気の予報を、あそこまでピタリと当てるのは至難の業。朝岡さんが不安がっていたのも、自分には良く分かる。
それにしても、今日は気象要素てんこ盛りの日!空を見て天気を知ることを「観天望気」と呼ぶのですが、朝岡さんはこの観天望気だけで、分単位で正確に降水を予測できるのはさすがに超人的!ドラマならではの演出とは言え、気象予報士がみんなできるわけじゃないですからね!
自分にはそこまでの能力はないので、気象庁の雨雲レーダーとアメダスの観測結果をもとにした「降水ナウキャスト」が強い味方。気象予報士でなくても誰でも無料で見れるので、とくに急な雨になりそうなときはこまめにチェック!気象庁ではこの降水ナウキャストのことを、「今後の雨」という名前で呼んでいたりもします。
降水ナウキャスト(今後の雨)
https://jma.go.jp/bosai/nowc/
また東京周辺の方は、東京都下水道局が提供している「東京アメッシュ」も便利。スマホではWebだけでなくアプリからでも参照可能です。
東京アメッシュ
https://tokyo-ame2.jwa.or.jp/index.html
第5回(5月21日放送)
いよいよ「登米能」の定例会がはじまる。百音(清原果耶)は、サヤカ(夏木マリ)の奏でる笛の音や、ふだんと全く違う雰囲気で能舞台に立つ翔洋(浜野謙太)の姿に感動する。定例会後、サヤカが電話で百音の祖父・龍己(藤竜也)に百音の様子を伝えていると、龍己は電話越しの百音の楽しそうな声に驚く。そしてサヤカ自身も、ある決意を固める。翌日、朝岡(西島秀俊)の希望で百音たちは北上川を見にでかける。
https://www.nhk.or.jp/okaerimone/story/week_01.html
朝ドラが始まる前のニュース番組でも、余裕があれば最後の十数秒で朝ドラについて語る時間があったとは。こっちは「朝ドラ送り」と呼ぶんですね。
その朝ドラ送りの中で、現役の気象予報士の方が、「天気予報のコーナーは2分半だと短い!」と語っていたけれど、限られた時間の中で必要な情報を盛り込もうと毎日構成を考えているわけで、TVやラジオのニュース番組で気象キャスターの役割を担う気象予報士は、毎日大変なのだと改めて実感。
今日は北上川の移流霧が幻想的だった…。
移流霧は、暖かく湿った空気が、冷たい水面や地面の上に移動したことによって冷やされてできる霧で、気仙沼周辺では春や初夏に発生しやすく、「気嵐(けあらし)」と呼ばれています。
…だからモネはこの霧を見て、同じ春先に起きた「あの日」の光景が脳裏をよぎってしまったのでしょう。静かに涙を流すモネに、朝岡さんが「晴れない霧はない」と言葉をかけていたのがグッときました。
そのあとに日が差して霧が晴れ、空には再び彩雲が現れます。朝方の鬱蒼と立ち込める霧からの日中の鮮やかな彩雲への変化は、そのままモネの心象風景を描いているかのよう。気象現象が効果的に使われていて胸熱!
「空を見て雲が綺麗だと思えるのなら、その時点で幸せになれる前触れ」
…この朝岡さんの言葉に、自分も深く納得。気持ちが晴れないときは、空を見ても何も感じなかったですから…。
こうして1週目が終了。昔の朝ドラは土曜日までやっていたけれど、今は月曜日から金曜日までの5日間なんですね。まさかここまで自分が朝ドラにハマるとは…。まだ5日間しか経っていないのに!早く来週が来て欲しい!